アメリカ合衆国と宇宙人

エリア51は、観光地ラスベガスから北北西約200kmネバダリンカーン郡にある。

特徴的な白いアルカリ性塩湖、グルーム乾燥湖のそばにある。その存在はすでに常識で、Googleでも確認できる。最近、大きな格納庫が建設されたという情報もある。

アメリカ中央情報局(CIA)がエリア51の存在を公式に認めることになったきっかけは、2005年の「米国家安全保障アーカイブ」の公文書請求である。

2013年、「フリーダム・オブ・インフォメーション(情報に対する自由)」の申請が受理され、米国政府はエリア51の存在を公式に認めた。しかし同時に、エリア51は、宇宙人技術とは何も関係ないという声明も出された。 

 

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エリア51 正式名「ネバダ州 グレーム・レイク空軍基地」

エリア51は正式に認められたが、実はエリア51の役目はもう終わった、主要な施設はすでに他に移された等、様々な噂が存在している。それでも、今もエリア51の立ち入り禁止地区は拡大する一方である。

付近は監視カメラで常に監視され、会話、携帯電話での通話もすべて盗聴されている。禁止エリアに近づいただけで、多くの一般市民が逮捕されている。特には銃で威嚇され、場合によってはいきなり撃たれても、文句は言えない状況になっている。

さらに、地上だけでなく、エリア51の上空は全て、飛行禁止区域になっている。

エリア51で次世代兵器の開発が行われているのは確かである。そして開発された兵器は、いずれ世界中の戦場で使われる。

軍事産業アメリカ合衆国の根幹である。軍事産業の繁栄のため、エリア51のために、アメリカ合衆国があるといってもよい。

 

 

エリア51に匹敵する秘密基地、ユタ州ダグウェイ実験場

アメリカにはエリア51以外にも、秘密軍需施設が多数ある。代表的なのは、ユタ州ダグウェイ実験場である。

ダグウェイ実験場はユタ州ソルトレイクシティ南西約130キロメートル、グレートソルトレイク砂漠内に位置するアメリカ陸軍の施設である。5万7千平方キロメートル、エリア5133倍の広さがある。

第二次世界大戦中には、ここに日本の町、ドイツの町が再現され、空爆実験が行われた。日本の場合は木造家屋が多いことから、実験により焼夷弾が採択されたと言われている。

ダグウェイ実験場では主に、化学兵器生物兵器に対する防御が研究されていると言われており、1968年には実験場近辺で、牧場の羊6000頭以上大量死するという事件が起きた。多くの市民がダグウェイで実験された神経ガスの影響だと訴えていたが、事件後30年近く後になって米国陸軍は、ようやくその事実関係を公認した。

また、1949年から1952年にかけては実際の核戦争を想定された実験、訓練も行われ、莫大な量の放射線が空気中に放出された。この情報が正式公開されたのも1993年になってからである。

 ダグウェイ実験場も現在、上空、宇宙空間にいたるまで、飛行禁止地域になっている。

生物化学兵器の防御の研究基地なのに一切飛行禁止になっていることから、宇宙人技術との関連を信じてやまない人たちから、ダグウェイ実験場も宇宙人と関連がある施設だと根強く信じられている。

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核実験のトリニティ実験とUFO事件のロズウェル事件

エリア51もダグウェイ実験場も、アメリカ軍需産業の拠点であり、機密を厳重に守るのは当然である。

しかし米国人にとって、軍事基地・兵器開発と宇宙人は、なぜか必ず結びつく。

人類初の核実験であるトリニティ実験は、1945716日、ニューメキシコ州ソコロの南東48km北緯33.675度、西経106.475)の地点で行われた。

そして、米国でのUFO・宇宙人の事件として絶対にはずせないロズウェル事件は、19477(一説では6)に起きている。場所はニューメキシコ州ロズウェル(北緯33.429度、西経104.521)で起きた。

核の時代の幕開けを告げたトリニティ実験場と、もっとも有名なUFO事件が起きたロズウェルは、広いアメリカの国土の中で、すぐ隣同士なのである。これは偶然だろうか。

また場所だけでなく、時期も注目したい。米国人の中で宇宙人の存在が大きくなり始めたのは、米国が核実験に成功してからなのである。(1945716日トリニティ実験のほぼ2年後にロズウェル事件発生)

 

 

宇宙人と核の関係

歴史上、世界では日本が唯一の被爆国とされている。

しかし、アメリカ合衆国内では米ソ冷戦時代、主にネバダ州核実験場で、1951年から1958年までの間に、地上での核実験を97回実施している。その後、地下核実験に移行し、およそ1000回近い実験が実施されている。また前述のダグウェイ実験場では、生身の兵士も多数動員され、核戦争を想定した訓練も行われている。

まぎれもなく、アメリカ合衆国こそ、核開発と軍事訓練による放射能汚染にまみれた国である。

アメリカ合衆国では、核実験で被爆した兵士、または一般市民が、被爆被害を訴えるのは難しいとされている。なぜなら核こそアメリカ合衆国を世界一の強国にしたものであり、先の戦争で日本を打ち負かした「正義のいかづち」なのである。核を非難するような空気は、米国ではタブーなのである。

そんなアメリカ人の前に登場したのが、神でも天使でも悪魔でもない、キリスト教以上のもの、キリスト教以外のもの…、宇宙人という存在なのである。

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米国人が宇宙人に惹かれる理由

米国の人々は、宇宙人への恐怖と関心が並外れて強い。

日本ではほとんど聞かれない話だが、宇宙人に誘拐されたことがあると本気で信じるひとも相当数存在する。(因みに、入眠時の金縛り状態で日本人が出くわすのは、ほとんど幽霊・妖怪の類である)

宇宙人が超ハイテクのUFOに乗ってやってきて、アメリカの国土に降り立ち、アブダクションして怪しい人体実験をしている。エリア51では、さらに壮大な実験と宇宙人技術を使った技術開発が行われているに違いないと想像する

2005年に、HG・ウェルズ原作の「宇宙戦争」が、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演で映画化された。ふつうのアメリカの町々に突然宇宙人が襲来し、人々はまったくなすすべがない、というストーリーである。

強い兵士が武器を持って活躍する戦争映画ではなく、丸腰の市民が宇宙人に次々と襲われる恐怖がこの映画のテーマなのだが、この作品に米国人のメンタリティーがよく表れている。米国人は本当のところ、このようなことは現実には「起こりえない」と思って見ているだろう。

しかし現実は、歴史は、そうではない。この映画を地で行くような無差別爆撃を、アメリカ合衆国は、日本、ベトナム、中東の各国でやりつくしてきた。この映画に出てくる宇宙人こそは、米軍そのものなのである。

 

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宇宙人による陰謀という陰謀

第二次世界大戦終戦間際の広島、長崎への核攻撃、そしてその後も続く核実験とUFO・宇宙人目撃件数は、アメリカ合衆国内では確実に正比例している。

米国人は、核武装による軍事大国に住む強い罪悪感と恐怖、そして、現実問題として核やそのほかの兵器開発の影響で家畜や人体に及ぼされた被害を、宇宙人の仕業であると思い込まされているのではないか。あるいは自ら思いこもうとしているのではないか。

UFOと宇宙人は、核の時代とともにやってきた、もっとも不都合な事実をカモフラージュするための壮大なイリュージョンである、と考えるのは、宇宙人懐疑派の筆者のうがった見方であろうか。