伝説の怪談「生き人形」都市伝説 YouTube

 

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怪談マニアの間で、半ば伝説となっている怪談がある。稲川淳二氏の代表作「生き人形」である。

怪談「生き人形」は、昭和の時代に、人形を使った舞台「呪夢千年」に出演した稲川氏、関係者たちの、人形をめぐる怪異譚である。舞台に直接出演した俳優だけでなく、人形製作者、人形遣い、舞台の関係者みな、人形たちに魅入られ、呪われ、次々と災厄に見舞われていった。

人形は、突然恐ろしい形相に変わったり、演者の恋愛に横恋慕したり、記憶を失わせたり、ノイローゼ状態にしたり、時には、関係者に大ケガを負わせたり、火事を起こしたり、最後は命まで奪ったりと、人々を恐怖のどん底に突き落としていった。凶事の連鎖に、稲川氏もこの一連の話を長らく封印していたようである。

 

YouTubeで幻の動画が見られる!

この生き人形の怪異譚の中でも特筆すべきは、何といっても関西地域で放送されたワイドショーでの騒動であろう。それは、昭和5683日に大阪・朝日放送「プラスα」で放映された「生き人形」特集である。「プラスα」は、当時関西地方で、午後の時間帯に生放送されていたバラエティー番組である。

当日、放送が始まる前から、すでに怪異は始まっていたとされている。テレビ関係者が出演予定の稲川氏と事前の打ち合わせをしていると、稲川氏の膝に、小学生くらいの子どもが座っていたという。関係者は稲川氏が、自分の子どもか親戚の子どもを連れてきたと思ったという。

また、スタジオセットを準備していた美術担当者も、セットとして件の生き人形を座らせたその付近に、小学生くらいの男の子がうろついていたのを見ている。

そして本番…。

 

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生放送中に起きた数々の怪異

筆者は最近になって、この有名な放送の一部を、YouTubeで見ることができた。

YouTubeに上がっていたのは、昭和56年放送時の番組そのものではなく、当日の放送を検証した同じ朝日放送の「早熟半熟なまたまご」という番組である。その番組の中で、当時の映像の一部が流れるという形になっている。

映像には、噂の生き人形が番組セットの脇の椅子に座っている様子、朝日放送のアナウンサー、稲川淳二氏、霊能力者らが映っている。そしてスタジオの雰囲気は、なにやら尋常ではないことが伝わってくる。

スタジオ内の照明が微かではあるが揺れており、稲川氏も非常に落ち着かない様子である。出演者たちの後ろに立てられた「真夏の恐怖」と書かれたパネルや背景の幕も、なぜか終始グラグラとうねっている。

当時、生で番組を見ていた視聴者からは、いるはずのない小学生くらいの男の子が映っているという問い合わせが殺到したそうだが、残念ながらYou Tubeの映像では、男の子の姿は確認できない。

 

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YouTubeに映っている恐ろしいもの

YouTubeでは男の子の幽霊は確認できないのだが、当時の番組担当者らが、生き人形の胸が上下して呼吸しているのを見たとか、この人形は生きている!!と震えあがった恐ろしさは、今でも感じることができる。

それが、古い録画映像の画面ノイズのためなのかは、筆者にも分からない。

しかし、スタジオ内に座らされている生き人形は、本当に生きているかのごとく、カメラが向けられた時、時折、パクパクと口元を動かしている。見る人によっては、瞼も動いているように見えるらしい。

明らかに、ふつうの人形でないことは、霊感のない人間でも分かる。

複数体はあったという劇で使われた人形たちは、もうすでに一体もこの世に残っていないようである。見ることができるのは、インターネット上の動画や画像においてだけである。

怪談好きには、貴重な映像を、ぜひYouTubeで確認してみてほしい。